第26回日本褥瘡学会学術集会

会長挨拶

会長 日髙 正巳

第26回日本褥瘡学会学術集会
会長 日髙 正巳
兵庫医科大学 リハビリテーション学部 教授

この度、第26回日本褥瘡学会学術集会を世界文化遺産の街『姫路』にて、2024年9月6日(金)、7日(土)に開催させて頂くことになりました。日本褥瘡学会は多職種で構成される学会であり、今回、理学療法士として初めて会長の任を拝命したことを非常にありがたく思うとともに、責任の重さを感じているところです。このような機会を与えて頂きました本会理事長をはじめ、理事会の先生方、社員の皆様、会員の皆様に心から感謝申し上げます。

さて、日本褥瘡学会は設立から25年、四半世紀もの年月が経過しました。その間、診療報酬の改定という大きな波を乗り越え、『褥瘡予防・管理ガイドライン』の継続的な発刊など、学術的にも大きく発展してきました。これまでの時代を振り返りつつ、これからの時代を考えると、新たな四半世紀に向けての第一歩となる学術集会にしたいという願いを込め、本会のテーマを「次代に向かう褥瘡ケア」とさせていただきました。新型コロナウイルス禍を経て、学会の開催形式も多様化し、AIの発展によって褥瘡ケアを取り巻く環境は、ますます変化していくことが予想されます。私たちは「治療の時代」「予防の時代」を経て、褥瘡について考えながら「生活していく時代」へと繋げていきたいと考えています。リハビリテーションの理念は、社会参加を含めた「生活の再建」にあります。生活を犠牲にすることなく、褥瘡ケアを展開していけることを目指し、来る2040年問題に向けて、一歩を踏み出すための学術集会にしたいと考えております。

今回の学術集会では、対面での開催を基本として、教育講演や一般演題発表、ハンズオンセミナー、企業展示等のプログラムを予定しています。現地参加の方には、企業展示ブースで直接触れて体験して頂くこと、ハンズオンセミナーで講師から技術を学ぶこと、フロアでのディスカッションを通して研究の裏側にある情報からヒントを得ることなど、対面ならではの良さを感じて頂ければと思います。現地参加できない会員の方や、同時並行のプログラムを聴けなかったという参加者の方のために、後日、オンデマンド配信による学びの機会を予定しています。

世界文化遺産に登録されてから30年が経過した姫路城のお膝元での開催ですので、是非、学術集会の前後に雄壮な姫路城を訪れ、今も昔の城郭建築の技が引き継がれている姿をご覧頂ければと思います。

今回、副会長には櫻井敦先生(形成外科医)、渡邉光子先生(看護師)を、事務局長には吉川義之先生(理学療法士)をお願いしました。多職種が連携した学会にふさわしく多方面から「生活を見据えた褥瘡ケア」の展開に向けた企画を考え、皆様の来姫を心待ちにしています。第26回日本褥瘡学会学術集会の開催を期待して頂き、ご参加くださいますようお願い申し上げ、挨拶とさせて頂きます。