第38回日本外傷学会総会・学術集会

会長挨拶

会長 溝端 康光

第38回日本外傷学会総会・学術集会
会長 溝端 康光
大阪公立大学大学院医学研究科
 救急医学

謹啓

 第38回日本外傷学会総会・学術集会の会長を仰せつかりました大阪公立大学大学院医学研究科救急医学 溝端康光です。
 今回の学術集会のテーマは「『有備無患』~個人・チームの能力向上と体制の構築~」としました。外傷患者への診療は、患者の搬送と同時に医療スタッフが持てる知識と技能を最大限駆使して開始されなければなりません。ダイナミックに変化する患者の病態を適切に把握し、最適と考えられる戦略・戦術をいかなる時にも実践できることが求められます。そのためには、普段からの「備え」が極めて重要であることは論を待ちません。実診療での修練だけでなく、個々の医療チームメンバーやチームとしての能力の向上に加えハードやソフトといった外傷診療体制の構築が不可欠です。このような考えのもと、本学術集会では、『有備無患』のための取り組みや実績等について会員の皆様に議論していただきたいと思います。
 会場となる大阪市中央公会堂は、1918年に建築された施設で、2002年には国の重要文化財に指定されています。その外観、内装の意匠は完成度の高いものと評価され、これまでにアルベルト・アインシュタインや、ヘレン・ケラー、ガガーリンなどの歴史的人物の講演にも使用されました。会場は、土佐堀川と堂島川が南北を流れる中之島に位置します。水都大阪を代表するエリアとして、大阪市最古の公園である中之島公園や、大阪府立中之島図書館といった歴史的建造物に加え、国立国際美術館やフェスティバルホールなどのモダンな建物が立ち並ぶ地区です。おしゃれなカフェやレストランも多く、近年整備された川沿いの遊歩道をのんびりと散策していただくだけでも水都大阪の魅力をご堪能いただけると思います。
 最後になりましたが、本会が会員の皆様にとって実り多い会となりますことを心より祈念し、陽春の四月に大阪でお目にかかれることを楽しみにしています。

謹白